ビルドアップとは髪の毛にシリコンが蓄積された状態です。
トリートメントやアウトバストリートメントに配合されているシリコンは、髪にツヤと滑らかさを出すため、髪に吸着をさせます。
しかしシャンプーが洗い方やすすぎ方により、過剰に髪に吸着し、蓄積します。場所により蓄積量が異なり凹凸ができると、髪に艶がなくなりごわつきます。
纏まりが逆に悪くなり、バサバサになるなど、さまざまなトラブルを引き起こします。
ビルドアップの原因、防ぎ方、正しい対処法を解説していきます。
シリコンが髪に蓄積するビルドアップとは?
ビルドアップとは、シャンプーやトリートメントに配合されているシリコンのコーティング剤が髪の表面に蓄積された状態を言います。シリコンは、油性の成分で、シャンプーやスタイリング剤に含まれる添加剤の1つです。髪のキューティクルを守り、髪に艶を出したり、指通りを良くしたりします。
通常なら髪にプラスの働きを与えてくれるシリコンですが、洗髪とすすぎの方法が悪いと、髪に油が残り、結果、髪の状態が悪くなります。
ビルドアップすると、普段通りのシャンプーでは改善しなかったり、髪が乾きにくくなり、カラーの入りも悪くなります。
シャンプーの効果が低下!?ビルドアップが原因?
普段使っているシャンプーが、急に効果がなくなった経験ありませんか?
ビルドアップが原因の可能性があります。
シリコンは悪い成分ではありません。しかし、髪質によって合う、合わないシリコンがあります。配合量も商品によって異なるので、自分にぴったりなシリコンの種類と量のヘアケアに出会うのは困難です。
商品によっては、シリコン以外のコンディショニング成分をほとんど配合しない商品があります。
シリコン頼りの商品を使っている場合、ビルドアップを引き起こす可能性があります。
ビルドアップの原因とは?
ビルドアップの原因はさまざま要因が重なって引き起こります。主な原因は4つです。
・使用するシリコンの量が多い
・髪質とシリコンが合わない
・シャンプーの洗浄力が弱い
・すすぎが足りない
順に見ていきましょう。
使用するシリコン量が多い
シャンプーやトリートメント以外でも毎朝使うスタイリング剤やヘアオイル、洗い流さないトリートメントなどにもシリコンが含まれています。日常的に使い続けるとシリコンが蓄積されビルドアップの原因になるでしょう。
またコンディショナーよりもトリートメントの方がシリコン以外のコンディショニング成分が配合されている場合が多いため、コンディショナーよりトリートメントを使う方が良いです。
ただし、名前はトリートメントといって成分表にシリコン以外のコンディショニング成分が記載されている場合でも、成分が微量しか配合されていない場合もあります。
髪質と主成分のシリコンが合わない
コンディショナーやトリートメントを使うときに、どのシリコンがもっとも多く配合されているかを確認する必要があります。
代表的なシリコンは「ジメチコン」です。ジメチコンは安価で効果の出やすい成分です。髪があまり痛みがなく、普通~細めの方であれば合いやすいです。
しかし、ジメチコンが主成分で、重さを出したり毛先まで滑らかにしようとすると、ジメチコンの量を増やす必要があります。
シリコンが主成分で、毛先までしっとり滑らかになると感じる成分は、ジメチコンの量が多い処方になっているとも言えます。その場合、べとつきを感じる方もいます。
また、アモジメチコンが主成分の場合は重さが出てしっとりしますが、髪が細い方の場合、重すぎてしまい、べとつくことがあります。
以上のように髪質とシリコンの相性でべとつきを感じることがあります。
シャンプーの洗浄力が弱い
巷では肌に優しいアミノ酸系のシャンプーが主流となっています。アミノ酸系シャンプーは肌に優しい反面、洗浄力が弱く髪に付着しているシリコンが充分に落ちていない可能性があります。
蓄積したシリコンはシャンプーで落とせますが、洗浄力が弱いシャンプーを使うとシリコンが残る可能性があります。その場合は、たまにシャンプーの時間を長めに行いましょう。
すすぎが足りない
髪トラブルの原因の多くはシャンプーの際のすすぎ不足です。シャンプーするよりすすぎが大事、と言われるほど重要なことと言えます。
特にトリートメントはサッと流したほうが、髪に成分が残って良さそうと思われがちですがそれは間違いです。しっかりすすぎをしないとシャンプーやトリートメント成分が髪に残りビルドアップの原因になります。
ビルドアップの症状
ビルドアップになると髪に悪影響を及ぼします。
主な症状を見ていきましょう。
髪がべとつく
ビルドアップになると、髪にべとつきが出やすくなる可能性があります。
もしシャンプーを変えたら髪がべとつきだしたと感じる人は、ビルドアップが原因の可能性があります。
しかしシャンプーを変えたときの髪のべとつきは、原因は複数あります。
髪に艶が無くなる
何日も髪を洗っていないのと同じ状態になるので、おのずと艶もなくなります。
髪にシリコンが付着することでキューティクルが乱れ、髪の表面がデコボコになり結果艶がなくなるという訳です。
髪が広がる
艶がなくなるのと同様、まとまりがなくなるので広がりやすくなります。
特にくせ毛の人はさらに髪の状態が悪化するかもしれません。
髪がゴワゴワする
シリコンが付着した状態はいわば油が髪に付着し続けるのと同じです。
油が髪に蓄積し続けるとどうでしょう。油で髪の毛がカチカチにコーティングされ、シャンプーやトリートメントの成分が浸透しないでしょう。
結果髪がゴワゴワした状態になってしまいます。
ビルドアップの対処法
髪にさまざまな症状を引き起こすビルドアップですが、どうすれば改善できるのでしょうか。対処法を解説していきます。
洗浄力の高いシャンプーで洗う
ビルドアップは髪に付着したシリコンが落ちきらず、蓄積している状態です。
しっかり髪の汚れとシリコンを落とすには、洗浄力の高い高級アルコール系のシャンプーを使うことです。
代表的な洗浄成分は、ラウレス硫酸Naやラウリル硫酸Naですが、洗浄力がとても強いため、注意は必要です。これらの洗浄成分に慣れていないと、髪は広がりパサつきを感じるようになります。
同じ高級アルコール系の洗浄成分で「オレフィン(C14-16)スルホン酸Na」という成分があり、ラウレス硫酸Naやラウリル硫酸Naよりは洗浄力が弱いので、おすすめです。
炭酸シャンプーを使用する
炭酸シャンプーとは泡タイプのシャンプーで、きめ細やかな泡が髪や地肌を包み込みスッキリ洗い上げます。炭酸は毛穴の汚れや余分な皮脂も落としてくれるので、とてもさっぱりします。
すすぎの方法を見直す
すすぎは洗髪する際に最も丁寧に行う必要がある重要な工程です。
シャンプーやトリートメント後はいつもよりすすぎの時間を長くしてみましょう。さらにシャワーヘッドを地肌に当てながら洗い流したり、専用のブラシでブラッシングしたりするのも効果的です。
正しいすすぎの方法は「シャンプーの正しいすすぎ方」をご覧ください。
シリコン以外のコンディショニング成分もしっかり入ってるものを選ぶ
髪のサラサラ・つやつやを「シリコン頼りにしない」ことは大事です。
シリコン以外に、シリコンの役割を担うコンディショニング成分が入っている商品があります。
シリコン代替成分はほとんどが油性のものですが、シリコンとは性質が異なりべとつきが少なく、ビルドアップの心配もありません。
また、シリコンの中でも、アミノ変形シリコンと呼ばれるアミノプロピルジメチコンや、乳化能力を兼ねそろえたポリシリコーンなどは、コンディショニング効果に優れながらも、ビルドアップも起こりにくい成分になります。
まとめ
ビルドアップとは何か、原因と詳しい対処法を解説しました。
ビルドアップは髪がダメージしている状態です。
普段使っているヘアケア製品は正しく使用しないと髪のダメージの原因になります。
もし髪の調子がおかしいなと感じたら、ビルドアップが原因かもしれません。
この記事を読んで、ビルドアップしない美しい髪を保ちましょう。