ヘアケア

ヘアミストを香水代わりに使えるか化粧品開発者が解説!注意点もあり!

ヘアミストは香水代わりになるか?
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

ヘアミストを香水代わりとして体に使う場合、肌に合わない可能性があります。「肌荒れ」までは簡単にはならないかも知れませんが、べたつきや痒みなどの違和感が出たり、髪より長持ちしないということは普通にあります。

こちらの記事では化粧品開発者の視点で以下を解説します。

  • ヘアミストが香水として使えるかどうか
  • ヘアミストを香水代わりに使った場合のデメリット
  • ヘアミストと香水の違い
  • ヘアミストを香水代わりとして使う場合の注意点

これにより肌トラブルを避け、ヘアミストを香水代わりとして使うことができるようになります。

監修者の写真

Yuuki

【コスメ部】の監修者・総責任者。
化粧品会社で11年勤め、化粧品開発とマーケティングを経験し、化粧品成分、薬事法、景品表示法の実務経験を積む。毛髪、皮膚の科学から、化粧品原料データ、消費者データまで化粧品分野において多岐に渡る経験と知見を持っています。

監修者のプロフィールページ

ヘアミストは香水として使える?

ヘアミストは香水の代わりになる

ヘアミストは、香水代わりに使うことはできます。

しかし、体につける目的で作られている香水と、髪につけることを念頭に作られているヘアミストは、成分や目的、効果が違います。ヘアミストは髪の毛のコンディションを整えるアイテムで、香水は体に使い香りを楽しむものです。

香水としてヘアミストを使用する場合、香水だけでなく、ボディミストより香り弱いこともあります。

監修者の写真

Yuuki

【コスメ部】の監修者・総責任者。
化粧品会社で11年勤め、化粧品開発とマーケティングを経験し、化粧品成分、薬事法、景品表示法の実務経験を積む。毛髪、皮膚の科学から、化粧品原料データ、消費者データまで化粧品分野において多岐に渡る経験と知見を持っています。

監修者のプロフィールページ

香水より効果が弱く1~3時間程度の効果

ヘアミストは髪につけることを目的に作られているため、香水よりもふわっと優しく香ります。

香りの持続時間も短く、1〜3時間程度。天然香料のものだと15~30分程度で香りが消えてしまうものもあります。

香水の中でも香りが強めのパルファムが8〜12時間であることを考えると、半分以下の持続時間ということになります。

一日中外に出ている場合、こまめに付け直しをしなければならないでしょう。

ヘアミストは髪の毛をサラサラツヤツヤにすることが目的なので、香水として使う場合には、持続時間には期待できません。

香水より香りが柔らかいから普通に使うという人も多い

ヘアミストは香水より香りがやさしい

ヘアミストは香水よりも香りが持続しにくいのがデメリットですが、優しく香るのは魅力です。香水は香りによっては周りの人に不快感を与えてしまうこともあります。

その点、ヘアミストの場合は柔らかく香るので、香りに敏感な人でもさほど気にならないでしょう。

はっきりとした強い香りをまとうのが苦手という人や、香水初心者でも気軽につけられるのがメリットです。

ヘアケア成分が肌に合わず肌トラブルになる可能性はある

ヘアミストには、髪の毛用の成分が配合されています。化粧品成分は、肌にも髪の毛にも効果がある成分もあれば、肌用成分・髪の毛用成分というものがあります。

髪の毛用成分が肌用として推奨されないケースは下記の3つです。

  • 肌に使っても効果がない
  • 肌への刺激性・効果試験を行っていない
  • 肌に使うと悪影響がある

ヘアミストに肌に効果がない成分が入っている場合であれば、香水代わりに使うことは問題ありませんが、試験を行っていないケースや、悪影響があるケースの場合、肌トラブルのリスクがあります。

ヘアミストと香水の違いとは?

香水とヘアミストの違い
香水とヘアミストは使用目的・成分内容・香料配合量が違う

ヘアミストと香水の違いは、配合されている成分の違いが大きいです。

主な相違点としては、以下のようなものがあります。

  • 香料の配合量
  • アルコールの配合量
  • 髪の毛用成分が配合されているかどうか

ひとつずつ、解説していきます。

香料の配合量が違う

ヘアミストは香水よりも香りが弱いですが、それは香料の配合率がそもそも違っているからです。

香水と言っても香りの強さの度合いによっていくつかの種類にわかれています。

  • ヘアミスト(0.6~1%)
  • オーデコロン(2~5%)
  • オードトワレ(5~10%)、
  • オードパルファン(8~15%)
  • パルファン(15~30%)

はっきりと香る、香水をつけているとわかるのは主にパルファンと呼ばれる香水で、1.5〜3割の分量で香料が配合されています。

香りが強い分持続力もあり、8〜12時間は香りをまとっていることが可能です。

また、パルファンよりもやや柔らかく香るのがオードパルファン。

そして、4〜5時間で香りが薄れるのがオードトワレ、さらに柔らかくナチュラルに香るのがオーデコロンです。

ヘアミストはオーデコロンよりも香料の配合量が少ないので、さらに香りは弱くなっています。

ちなみにボディミストは3%程度なので、ヘアミストはかなり低い配合率になります。

香水はアルコールの配合量が高い

香水の変性アルコール配合量
香水は70%~90%は変性アルコールという工業用アルコールが占めています

香水の香りを感じるのは、香水に含まれるアルコールが蒸発するときに香り成分を拡散するからです。

香水は変性アルコールという、工業用のアルコールが主成分となっています。

アルコールに香りを溶かすと、溶けやすく、揮発せず長持ちするために使われています。

一方のヘアミストは、メイン成分は精製水であることがほとんどです。アルコールが主成分であるなら、ヘアミストというよりヘアフレグランスと言ってもいいでしょう。

アルコールは皮脂を溶かす効果があるので、配合量が多いと、肌が弱い人には負担になることもあります。

精製水がベースであるヘアミストで代用をすれば、肌への負担も少なくなります。

ヘアミストにはヘアケア成分が入っている

ヘアミストは髪の香りづけだけでなく、髪をケアするための目的もあります。そのため、ヘアケア成分が豊富に含まれているのも特徴の一つです。

香水は基本的に香りをまとうことが目的なので、ケア成分などは含まれていないものがほとんど。

ヘアケア成分は地肌に良い効果をもたらすものもあれば、悪い効果をもたらすこともあります。

ヘアミストを肌で使う場合は、成分をチェックしないとなりません。しかし化粧品の資格保持者の方でも「成分が肌試験までされているかどうか」という知識までは持っている方はほぼいないでしょう。

ヘアミストを香水代わりに使うときの注意点

ヘアミストは香水代わりにもなる便利なアイテムですが、もともと香水として地肌につけるものではないので、使う際には注意が必要なことも。

以下に注意点をまとめているので、チェックしてみてください。

シリコン等のコンディショニング成分が多いものは避ける

ヘアミストには、髪の滑りを良くするためのシリコンやコンディショニング成分が配合されている場合が多いです。お手持ちのヘアミストを香水にしようと考えている場合には、このような成分に注意しましょう。

成分を見てもよく分からないという方は、髪の毛がツルツルサラサラになる効果が高いものほど、ヘアケア用のコンディショニング成分が豊富に含まれていると考えた方がいいでしょう。

シリコンやコンディショニング成分の中には、地肌に負担をかけてしまうものもあります。たくさん配合されていると、人によっては肌荒れを起こしてしまうことも。

ヘアミストを香水として代用する場合には、シリコンやコンディショニング成分の配合量の少ない製品を使いましょう。

パッチテストを行う

ヘアミストを香水代わりに使う場合は、パッチテストを行いましょう。パッチテストにより自分にとっての肌刺激性は確認することができます。パッチテストで刺激性を確認した後は、少し時間を空けて、べとつき、痒み、乾燥が起きないかも確認するようにしましょう。

髪に使う分にはさほど気にならなかったとしても、地肌に香水としてつける場合には、べたつきが邪魔になることもあります。

パッチテストを行い、問題ないか確認してから使うようにしましょう。

ただあくまでヘアミストは髪の毛用のアイテムなので、香水の代わりに使うことは推奨はできません。

まとめ

今回は、ヘアミストを香水代わりに使用する際のポイントや香水との違いについて紹介してきました。

ヘアミストは香水とは違う目的で作られていますが、控えめに香るので香水として使用できます。

ただ、成分の配合量も異なり、髪の毛用の成分が配合されているので、使用に際しては注意しなければならない点もあります。

注意をしたとしても、肌トラブルのリスクはなくなりません、

香水代わりに使うのであれば、上手に使って、ふんわりとした香りを楽しみましょう。