「ヘアミストで髪のケアは十分にできる?」「どのヘアミストがいいのか分からない」「そもそもヘアミストって?」など、このようなに考えてる方は多いと思います。
ヘアミストを10代~60代までの幅広い年齢層の女性500名にアンケートをしたところ、ヘアミストとはどのようなものか具体的に知らないという方が3人に1人もいました。
ヘアミストはヘアオイルやヘアミルクとは違い、4つのタイプがあります。
それぞれ役割と特徴が違いますが「ヘアミスト」とまとめて呼んでいる為、分かりにくさがあると思います。
本記事を読めばヘアミストについてよく理解ができ、あなたの髪がキレイになるきっかけとなるかも知れません。
下記について詳しく解説しています。
- ヘアミストの4つの種類
- その他ヘアケアアイテムとの違い
- ヘアミストの基本的な使い方
- ヘアミストの使い方応用編
ヘアミストの使い方を知り、日常的に使用することで、うるおいたっぷりの髪の毛をキープすることができるので、ぜひ参考にしてください。
Yuuki
【コスメ部】の監修者・総責任者。
化粧品会社で11年勤め、化粧品開発とマーケティングを経験し、化粧品成分、薬事法、景品表示法の実務経験を積む。毛髪、皮膚の科学から、化粧品原料データ、消費者データまで化粧品分野において多岐に渡る経験と知見を持っています。
ヘアミストとは?
ヘアミストとは、髪の毛に使用するミスト状のヘアケアアイテムのことを指します。髪の香水としても使えますし、アイテムによっては髪をサラサラにしたり、ヘアアイロンやドライヤーなどの熱から髪を守ってくれるアイテムもあります。
ヘアミストは主に以下のように分類できます。
- アウトバストリートメント
- リフレッシュミスト
- ヘアフレグランス
- アウトバスとヘアフレグランスを兼ねそろえたタイプ
500名の方に、アウトバストリートメントとしての使用状況を聞いたところ、下記のようにヘアオイルが圧倒的に多く、ヘアミストは2番目に多いという結果でした。
また、髪の毛の香りづけ、ヘアフレグランスとして使用している方は、61名(12.2%)であり、多くの方がヘアミストをアウトバストリートメントとして使用していることが分かります。
ヘアオイルとの違いとは?
ヘアミストとヘアオイルは、ミストに含まれる水分量と油分の量に違いがあります。
ヘアオイルは油分が多く、髪を守るバリア機能の働きがメインになります。
ヘアミストは水分量が多いため、髪にうるおいを与える役割となります。しかし、アウトバストリートメントタイプのヘアミストは、実際はシリコンなどの油系のコンディショニング成分が溶け込んでいる場合が多いです。
アウトバストリートメントとして、ヘアオイルを使う方が最も多いですが、ヘアオイルは重い、べたつく、という方も一定数いるため、水が多く軽く作られているヘアミストを使う方も多いようです。
ヘアウォーターとの違いとは?
ヘアミストもヘアウォーターも、水分ベースのヘアケアアイテムです。そして明確な違いがあるわけではなく、メーカーごとに呼び方を変えています。しかし、傾向的に言えることとして、ヘアウォーターはコンディショニング成分や油剤を減らし、寝ぐせ直しやプレスタイリング寄りに作られています。
ヘアミストは、どちらかというとアウトバストリートメントやヘアフレグランスとして呼ばれる傾向にあり、ヘアウォーターは寝ぐせ直しやリフレッシュ効果などの意味合いで販売される傾向があります。
頭皮用化粧水との違いとは?
ヘアミストと頭皮用化粧水は、使用目的と液体に含まれている成分に違いがあります。
ヘアミストは髪にうるおいやツヤ、香りを与えることが目的であるのに対し、頭皮用化粧水は頭皮の健康を維持するのが目的です。
そのため、頭皮の保湿や血行促進、皮膚の炎症を防ぐことをメインに使用されます。
髪の毛に使うことはおすすめできません。
ヘアミストの4つのタイプとその使い方
ヘアミストは大きく分けて4つのタイプと使い方があると解説しました。ここでは、ヘアミストの4つのタイプとその使い方を詳しく見ていきましょう。
ヘアミストのタイプ | 使用目的 |
フレグランスタイプ | 髪の毛の香りづけ |
アウトバストリートメント | オイルやミルクの変わりに使える |
保湿・保護・寝ぐせ直し・リフレッシュタイプ | 保湿効果やUVカット効果 |
ハイブリットタイプ | 香り、アウトバス、保湿保護全てが詰まったタイプ |
ヘアミストと言っても様々な種類があり、この分類の理解は広がっていません。ドラッグストアなどのヘアミストコーナーには「ヘアミスト」としてひとくくりにして販売されています。
ヘアミストを使用していない方は500名のうち、325名(65%)もいますが、325名の中でヘアミストを使わない理由のTOP5は以下の通りです。
- ヘアオイルやヘアミルクの方が効果的だと感じる: 127回答 (20.55%)
- ほしいと思う魅力的な商品がない: 80回答 (12.94%)
- ヘアミストの効果を知らない: 74回答 (11.97%)
- 使用する機会が少ない: 63回答 (10.19%)
- ヘアミストでいい商品に出会ったことがない: 61回答 (9.87%)
魅力的な商品がないと答える方と、ヘアミストの効果をそもそも知らないという方が見られます。ヘアミストの分類と目的が曖昧で、ヘアミストの魅力と特徴が伝わってないのが原因ではないでしょうか。
ここから、ヘアミストの4つの分類と目的を解説していきます。
フレグランスタイプのヘアミスト
ヘアミストの使い方として、髪の毛の香りづけで使う方は多く、12.2%の方が、ヘアミストを髪の毛の香水代わりに使っています。
フレグランスタイプのヘアミストは香りの種類も多く、プチプラからハイブランドまでアイテムがあるので、自分の好みやイメージに合う香りを選びましょう。
ただし、フレグランスタイプは、成分の前の方に「エタノール」と記載がある場合が多いです。エタノールはアルコールであり、髪の毛の油分を奪うため、髪の毛が傷んでいる方は、なるべく少ない量で使うか、アウトバスタイプのヘアミストを使うようにしたいところです。
アウトバストリートメントタイプのヘアミスト
髪質によっても異なりますが、髪が乾燥しやすい方や髪へのダメージが大きい方は、洗い流さないアウトバストリートメントタイプのヘアミストを使用しましょう。
見分け方として、成分名ジメチコノールなどのシリコンや、セトリモニウムクロリドなど成分名の最後に「クロリド」と表記にあるカチオン成分が配合されていると、アウトバストリートメントとしても使用できます。
アウトバスタイプのヘアミストの中には、ドライヤーやヘアアイロン前に使えるアイテムもあります。
「メドウフォーム-δ-ラクトン」「γ-ドコサラクトン」という成分は、熱から髪の毛を守る成分です。
保湿とリフレッシュ・寝ぐせ直しタイプのヘアミスト
アウトバストリートメントタイプとの違いは、プロパンジオールなどの保湿系成分が前の方にあり、シリコン系やカチオン系成分が見当たらないか、ほとんど配合がない場合、アウトバストリートメントとは違うタイプです。
中身の液体の色でもある程度見分けがつきます。シリコン系やカチオン系の成分が多く配合されているヘアミストは、液体が白濁している場合が多いです。
髪は、肌と比較しても油分を多く必要としており、油分が多めに含まれていないと、トリートメント効果として弱くなる傾向があります。※油分を多めに含んでいると白濁します。
保湿・リフレッシュタイプのヘアミストは、髪にうるおいを与える成分だけでなく、UVカットの効果が期待できる成分を含んだヘアミストもあります。
ハイブリットタイプのヘアミスト(香り・ツルツル・保湿)
ハイブリットタイプのヘアミストは、シリコン成分、カチオン系成分、保湿成分、他にグル͡コノラクトンや、ヒートプロテクト系などの成分が1本に全て含まれているタイプです。
更に、香りの配合量が多ければ、フレグランスにもなります。
これは、アウトバストリートメントだけでなく、プレスタイリングにも効果的で、フレグランス性も高いので、万能タイプのヘアケアアイテムと言えます。
一般的に高価なものほど高品質な成分が含まれていますが、プチプラアイテムでも十分な効果が出るものもあります。理由は、ヘアオイルやヘアミルクより、精製水の配合量が多く、コンディショニング成分の配合量も少ないため、比較的にヘアミストは安価で製造することができるためです。
ヘアミストの香料配合量(香水とも比較)
化粧品開発者として、配合量の参考を下記に記載します。
この表のとおり、体に使用するフレグランスの中で香料配合量が低い、ボディミストやボディコロンと比較しても、ヘアミストは香料の配合量が少なく作られています。
理由としてあげられるのは、香料の配合量が多くすると、アルコールの量も多くなるため、髪につける髪に必要な油分を奪ってしまい、髪の毛の乾燥が進んでしまう点があります。
香水と比較すると、アウトバスタイプのヘアミストは香りがかなり弱いです。しかし、ふんわり香る程度に髪につけたい方も多く、0.6~1%程度の濃度のヘアミストを選ぶ方もいます。
髪に強めに香りをつけたいという方は、ヘアコンディショニング成分の配合量が低いですが、ヘアフレグランスを選ぶと良いです。香水を髪の毛にそのままつけると髪の毛が傷んでしまう可能性があるので、おすすめできません。
ヘアミストの基本的な使い方は?
ヘアミストの基本的な使い方は、髪をブラッシングしてから乾いた髪に10㎝ほど離した位置からミストを吹きかけ、揉みこむようにして髪に馴染ませます。
距離が近すぎるとミストが全体に広がらず、付き方に偏りが出る可能性が高いです。
香りつきのヘアミストも多いため、使用用途にあわせて使いわけるようにしましょう。
香りづけに使う
ヘアミストは、ほどよく香りづけするのに最適なアイテムです。
香水ほど香りが強くないため、匂いが気になる方は数回プッシュするだけでも印象が変わります。
香りの種類は、シトラス系やフローラル系、スイート系など種類も豊富なため、自分好みのお気に入りの香りを見つけましょう。
ヘアフレグランスタイプのヘアミストは、香りの配合量が多く、香水よりも弱いですが、強めに香りづけが可能です。
見分け方は、精製水ベースではなく、エタノールベースに作られているかどうかです。
成分表の最初に「水」と書かれているヘアミストは精製水ベースに作られ、「エタノール」と書かれているヘアミストはアルコールベースで作られています。
アルコールベースで作られている方が香りが強く、持続するため、お気に入りの香りがあったら、成分を確認してみましょう。
プレスタイリング・寝ぐせ直しに使う
ヘアミストは髪に水分を与える役割があるため、プレスタイリングや寝ぐせ直しにも効果的です。
寝ぐせがそれほどついていない時は、ヘアミストを吹きかけてからブラッシングすると、自然に寝ぐせが直ります。
髪に熱を加えてヘアセットする場合は、髪の傷みを防ぐためにも、ヘアミストを吹きかけてからドライヤーやヘアアイロンをあてるようにしましょう。
ドライヤーやヘアアイロンとともに使う場合は、できれば「メドウフォーム-δ-ラクトン」「γ-ドコサラクトン」などのヒートプロテクト成分が入っている成分のヘアミストを使いましょう。
ヘアオイルやヘアミルクの代わり使う
ヘアオイルやヘアミルクの代わりに、アウトバストリートメントとしてヘアミストを使うことができます。
しかしヘアオイルとヘアミルクに慣れている方は、ヘアミストでは物足りないと感じてしまうかも知れません。
もしヘアオイルやヘアミルクを使っていて、少しでも「重い」と感じる方は、ヘアミストを使ってみるのもありです。
ヘアオイルやヘアミルクの代わりに使う場合は、コンディショニング成分が多めに入ったヘアミストを使用した方が良いです。
リフレッシュ・保湿目的のヘアミストで代用してしまうと、効果が感じられず、ヘアミストを嫌いになってしまうかも知れません。
ヘアミストの賢い使い方(応用編)は?
ヘアミストの基本的な使い方をマスターしたら、ヘアケアアイテムを組み合わせて応用編を試してみましょう。
オイルやミルクの後の仕上げに使う
ヘアミストを使用する前に、オイルやミルクの油分で髪の毛に栄養を与え、水分が豊富なヘアミストでコーティングすると、髪を守るバリア機能が高まります。
傷んだ毛先だけヘアミストを追加するというのも有効な使い方です。
香りが好みのヘアミストがあれば、オイルやミルクの後の仕上げに香りづけとして活用できますね。
エタノールが多く配合されているヘアミストを使う場合でも、オイルやミルクで髪の毛を保護している状態なので、アルコールが髪の毛の水分・油分を奪うことを防ぐことができます。
ヘアオイルやヘアミルクと、ヘアミストを併用すると、色んな活用ができます。
ヘアアイロンと一緒に使う
ヘアアイロンとヘアミストを一緒に使用すると、熱から髪の毛を守る働きだけでなく、スタイリングをキープしやすいというメリットもあります。
そのため、ヘアミストを吹きかけてからヘアアイロンを使用するのがおすすめです。
べとつかないから毛先に重点的に使う
アウトバストリートメントをそもそも使わないという方でも、毛先につけるのも1つのやり方です。毛先はどうしても傷みやすいので、毛先だけはケアしてあげたいところです。
ヘアミストの主成分は水分のため、気になる毛先の広がりに重点的に使用してもべたついた感じが残りません。
3~4プッシュを目安に、髪から少し離して吹きかけるようにして、毛先になじませてみましょう。
ヘアミストについてのよくある質問5選
嬉しい効果がたくさんあるヘアミストですが、疑問に感じる点もいくつかあるのではないでしょうか?
ここからは5つに絞って、みなさんが抱えている疑問にお答えします。
ヘアミストの落とし方は?
ヘアミストは水分量が多いヘアケアアイテムのため、普段使用しているシャンプーで簡単に落とせます。
湯シャンだと、油系の成分が多いヘアミストは落としきれません。
湯シャンされている方も、ヘアミストをつけたときは、シャンプーをしましょう。
使用量は何プッシュ?
一度に吹きかける目安の量は3〜4プッシュがおすすめです。
うるおいや香りを維持させたい方は、朝・昼・夜の3回に分けてヘアミストを使用しましょう。
香りはどのくらいもつ?
香りの持続時間はヘアミストによって異なりますが、一般的に2時間ほどと言われています。
2時間を経過しても、髪の毛から完全に飛んでしまうのではなく、ほんのりと香りは残ることが多いです。
「僅かに香るくらいでいい」という方には、ヘアミストがぴったりです。
ヘアフレグランスタイプのヘアミストだと、強めに香るので、それ以外を選ぶようにしましょう。
天然香料(アロマオイル)のヘアミストの場合は、1時間程度で香りが消え、僅かに残るかどうかも微妙なところです。
ヘアミストの代わりに化粧水をつけるのはあり?
髪の毛にヘアミストの代わりとして肌用の化粧水をつけるのはおすすめしません。
髪の毛と肌をキレイに保つには、水分と油分のバランスが必要ですが、肌用の化粧水では水分量が多く、肌用の成分が配合されているので、肌と性質が違う髪の毛には不向きです。
髪の毛に化粧水をつけても効果がない理由についてはもっと詳しく解説しています。
ヘアミストをボディに使うのはあり?
ヘアミストをボディにも使うのはあまりおすすめしません。理由は下記の2点です。
- ヘアミストには髪専用の成分が入っている可能性が高く、肌に合うかは分からない
- ボディミストよりも香りが弱く、フレグランスとしては不十分
ただし完全に使えないわけではありません。
こちらの記事でヘアミストとボディミストの違いについて解説しています。
まとめ
ヘアミストは、髪のうるおいやツヤを維持するために必要なヘアケアアイテムです。
たくさん種類がある中で、
- 使用目的
- 得られる効果
- 香り
- 価格
などを基準に選ぶと、自分好みのヘアミストが見つかります。
美しい髪をキープするためにも、ヘアミストを使用して日々のケアに力を注ぎましょう。