美容院でカラーをした後「今日はシャンプーは控えてください」と言われたことはありませんか?
「シャンプーを使わなければ、お湯で洗ってもいいの?」
「シャンプーすると、カラーが落ちやすくなるって本当?」
そのような疑問を感じている人は多いでしょう。結論からお伝えすると、カラーした後はシャンプーを使わず、お湯だけで髪を洗ってください。
カラーしたばかりの髪はアルカリ性に傾いています。髪は本来弱酸性が健康的です。
カラー直後のアルカリ性に傾いた髪は、表面にある蓋の役割をしているキューティクルがダメージを受けやすくなっています。その状態でシャンプーをすると、色素が抜けやすくなってしまいます。
カラーしてキレイになった髪は、長く保ちたいですよね。
本記事ではカラー後のヘアケアや、正しい髪の洗い方について丁寧に解説しています。
ぜひ最後まで読んで、ヘアカラー後のキレイなカラーを長く楽しみましょう。
ヘアカラーの発色の仕組み
ヘアカラーの色落ちの原因を突き止めるためには、まず髪が染まる仕組みを見ていきましょう。
ヘアカラーは、カラー剤により、脱色(ブリーチ)と発色(カラーリング)の2ステップがあります。
カラー液を髪に塗り込んでいくと、カラー剤のアルカリの作用により、髪の表面のキューティクルが開きます。開いたキューティクルの隙間から、カラー剤に含まれる「過酸化水素」と「染料」が髪の内部に浸透していきます。
そして最初のステップとして、過酸化水素が黒髪の色素であるメラニンを脱色し、髪の色を明るくします。これがブリーチです。
次のステップとして、髪の内部に浸透した「染料」を過酸化水素が酸化させます。酸化により染料が発色し、髪の内部から色が髪の毛に定着していきます。
このように、ヘアカラーは「ブリーチ」と「着色」の2つステップで色を定着させます。
ヘアカラーの色が落ちる仕組みと原因
カラーは、髪のキューティクルの隙間から入れ、退色もキューティクルの隙間から、抜けていきます。
ブリーチした髪に、色素をつけていくことになりますが、しっかりと髪の毛の内部に定着させる必要があります。
カラー剤の色素は髪の毛の内部に定着するまで、約48時間はかかるので、ヘアカラー直後はヘアカラーがキューティクルの隙間から退色しやすくなってしまいます。
シャンプー、ブロー、スタイリングは、キューティクルを開いたり、傷つけたりするので、色が抜けやすくなります。
48時間以内の髪の毛への刺激は、色が定着してない状態だと、より色が抜けやすい状態ということになります。
シャンプーにより色落ちしやすい
シャンプーで色が落ちる原因は、3つあります。
- カラー剤で髪の毛がアルカリに傾くと髪の毛が傷み色が抜けやすい
- 髪は濡れるとキューティクルが開く
- キューティクルが開いた状態で界面活性剤と摩擦の刺激がかかる
- 界面活性剤がカラー剤を分解して落としてしまう
カラー剤により本来弱酸性である髪の毛が、アルカリ性に傾き髪の毛のキューティクルが傷みやすい状態になります。キューティクルが荒れて開くとヘアカラーが定着しにくくなります。
髪の毛は濡れてもキューティクルが開きます。界面活性剤とシャンプーによる摩擦は、開いたキューティクルに刺激をかけ、キューティクルがより乱れてしまいます。アルカリに傾いた状態で、水に濡らし、摩擦をかけ…とやっていくのは問題に問題を重ねていくようなものです。しかも荒れたキューティクルはドライヤーで乾かしても閉じにくくなってしまいます。
また、洗浄力が強い石油系シャンプーを使っている場合は、染料を落とす力も強く、色抜けが早まります。アミノ酸系の界面活性剤のシャンプーなら、染料を落とす力も弱いので、色持ちもまだ良いです。
以上の理由で、ヘアカラー後のシャンプーは避けましょう。
スタイリング時のドライヤー・ヘアアイロンの熱
カラーの染料は熱に弱いという特徴があります。
180度以上でアイロンなどを使用すると、色素が分解され、色が落ちやすくなります。アイロンを使う際は、160度以下に設定してスタイリングしましょう。
ドライヤーを行う前には、できれば吸水性が高いタオルを使用し、タオルドライによる摩擦の負担を減らしつつ、ドライヤーを当てる時間を短縮できるようにするのが理想です。
また、アイロンやドライヤーを使う際は、髪を熱から守ってくれるヒートプロテクト成分が配合されたヘアオイルやヘアミストなどを使用することをおすすめします。
紫外線
紫外線は肌に良くないというイメージがありますが、実は髪の毛にもダメージを与える原因になります。
強い紫外線を受けると、キューティクルが剥がれて、色が落ちやすくなってしまいます。
また、キューティクルの隙間から紫外線が入ってきてしまいます。髪の毛に紫外線が入ってしまうと、内部のメラニン色素が破壊されます。
せっかく美容師の人が色の抜け具合を見ながらブリーチしてくれたのに、紫外線によりまばらにメラニン色素が破壊されることになるので、髪色が不自然になる可能性があります。
外出の際は帽子や日傘を使って、紫外線から髪の毛を守りましょう。
摩擦
ヘアカラーをした後は、最低24時間は摩擦がかからないように配慮しましょう。下記の5つは控えましょう。
- シャンプー
- ゴシゴシタオルドライ
- ブラッシング
- 手ぐし
- ヘアアイロン
特に、シャンプーを控えたほうが良いでしょう。 シャンプーの場合、摩擦がかかるだけでなく、シャンプーの界面活性剤による刺激があります。ヘアカラー後は色素も完全に定着していません。そのため、シャンプーで色が落ちやすくなってしまうので、髪の毛を洗う場合はお湯だけで洗いましょう。
どうしてもシャンプー剤を使いたいなど考えている方は、ヘアカラー直後のシャンプーマニュアルの記事をお読みください。
ヘアカラー後は1日~2日はお湯だけで髪を洗う
ヘアカラー後の1日~2日は、シャンプーを使わず、お湯だけで髪を洗いましょう。
いわゆる「湯シャン」です。
シャンプーを使わないことによって、キューティクルへのダメージを最小限に抑え、色持ちを良くすることができます。
その際も髪の毛同士がこすりあわせたり、強くもんだりせず、優しく洗っていきましょう。詳しいシャンプーの方法を次の項から紹介していきます。
ヘアカラー後にお湯だけで洗う方法
ヘアカラー後にお湯だけで洗う方法は下記の流れです。
- シャンプー前にブラッシング
- お湯の温度は38~40℃
- マッサージしながら洗う
- 吸水性の高いタオルで早く乾かす
シャンプー前にブラッシングする
お湯で髪を濡らす前に、軽くブラッシングをして頭皮や髪の汚れを落としましょう。ブラッシングすると髪の絡まりも取れるため、摩擦によるダメージも軽減します。
湯シャン前に使うブラシは、先端が丸いピンになっているものか、獣毛ブラシをおすすめします。
また、洗髪前のブラッシングは、湯シャンに限らず通常のシャンプー前にもおすすめです。
お湯の温度は38~40℃
お湯の温度は38〜40℃に設定しましょう。40℃を超える熱いお湯は、髪や頭皮にダメージを与えてしまいます。傷んだ髪はキューティクルの修復が遅れるので、色持ちも悪くなってしまいます。
また、カラー直後に限らず、髪を洗うときのお湯の温度は38℃、高くても40℃にしましょう。
38℃より低いと頭皮についた油汚れは落ちにくく、40°Cを超えると、頭皮と髪の乾燥の原因になるからです。
髪の毛を摩擦をかけないようにマッサージしながら洗う
お湯で髪を洗う際には、髪と髪の摩擦をなるべく少なくするために、優しくマッサージしましょう。
頭皮と髪の毛を適温でしっかりと濡らした後は、指の腹で頭皮をマッサージするイメージで洗っていきます。このときに爪を立てると、頭皮が傷つく可能性がありますので注意しましょう。
お湯だけで4~5分洗う
お湯だけの場合、シャンプーの泡がないため、髪を流す目安がわかりにくいかもしれません。シャワーの水圧を頭皮にしっかり当て、4~5分程度を目安にしてください。
また、普段シャンプーを使って洗う際も、最後はお湯でしっかりと洗い流しましょう。シャンプーの洗い残しはふけやかゆみの原因になる可能性があります。
吸水性の高いタオルで水分を拭く
タオルドライは吸水性の高いタオルを使うことをおすすめします。
摩擦を極力減らし、髪の毛の水分を早めに取り除けるからです。
濡れた髪はキューティクルが開いているため、湯シャンの後は早めに乾かすことが大切です。
吸水性の高いタオルを使い、ドライヤーを使うことで、ドライヤー熱による負担も減るため、吸水性の高いタオルを使うことをおすすめします。
ドライヤーで熱の負担をかけすぎず素早く乾かす
濡れた髪の毛を放置するとキューティクルが開いたままになるので、ヘアカラーが抜ける原因になります。
ヘアカラー後にお湯だけでシャンプーした場合は、特に素早く乾かすことを心がけましょう。
ドライヤーの熱もキューティクルを傷める原因になるので、髪から適度に距離を置き、乾かしていきましょう。
まとめ:ヘアカラー後はお湯だけで洗うようにしよう
ヘアカラー後の髪は非常にデリケートな状態のため、シャンプーを使わずお湯だけで洗いましょう。ヘアカラー後に適切なケアをすることで、カラーの持続性はもちろん、髪の健康も保たれるからです。
最後に、ヘアカラー後のケアは一人ひとりの髪質やカラーの種類によって異なる場合があります。ヘアカラーの際に美容師とよく相談し、あなたに合ったヘアケアのコツを取り入れてくださいね。
ヘアカラー後の正しいヘアケアで髪を美しく保ちながら、カラーをもっと楽しんでいきましょう。