シャンプーをいざ捨てようとすると、捨て方に迷いがちです。
中身が入ったままシャンプーボトルごと捨てるのはNGです。ボディソープやハンドソープのボトルも同じです。中身は、新聞紙や布に染み込ませて捨てなければいけません。
シャンプーの少量の処分、大量処分、家庭ゴミ・産業廃棄まで理解している化粧品開発者が、シャンプーの中身、ボトル、ポンプの正しい捨て方、使わないシャンプー・ボディソープの活用法を解説します。
自治体の分別方針が変更になる場合もあるため、最新情報もチェックしておく必要があります。
シャンプーやトリートメントを廃棄処分する方法
中身が入っているシャンプーをボトルごと可燃ごみに捨てることはできません。中身とパッケージを分別して捨てましょう。
- シャンプー剤(中身)を正しく捨てる
- ポンプとボトルを分別して自治体ルールに基づき処分
シャンプーやトリートメントは、少量なら水で薄めて排水溝に流しても問題ありません。
シャンプーの捨て方・分別方法について、2024年3月3日にWEBクラウドアンケートを実施したところ、68%の方が自治体のルールをご存じないという結果でした。
この機会に自治体のルールを確認いただき、正しい捨て方を覚えましょう。
シャンプーの処分・捨て方の調査はこちらのページでレポートしています。
ハンドソープ・洗顔フォームも同じ捨て方
ボディソープ、ハンドソープ、洗顔フォームなど、ボトルにポンプがつき、洗浄剤が入っている化粧品は、同じ捨て方になります。
洗顔フォームでも、チューブタイプは捨て方が異なります。
本記事は全て、ボトル+ポンプ+液体タイプの洗浄用化粧品の捨て方を紹介しています。
シャンプー・ボディソープの中身を捨てる手順
シャンプーやボディソープを捨てる手順を4つのステップで紹介します。
捨てるためには、ビニール袋と新聞紙または布を用意します。
1.ビニール袋に新聞紙や布などを敷き詰める
2.ビニール袋にシャンプーを流し入れて新聞紙や布に染み込ませる
3.染み込ませたあとはビニール袋をしっかり閉じる
4.自治体が指定している燃えるゴミの日に廃棄する
正しく処理すると、中身を燃えるゴミで捨てることができます。ビニール袋の代わりに、牛乳パックを使うこともできます。
牛乳パックは、資源ごみに分類されていますが、汚れた牛乳パックは燃えるゴミになります。
ビニール袋の代用として使った場合は燃えるゴミになります。ただし、自治体により異なる見解があるため、確認が必要です。
ビニール袋で捨てるのが無難なやり方です。
シャンプーボトルとポンプの捨て方
シャンプーを廃棄する際には、中身だけでなくボトルやポンプも捨てることになります。
「ボトルとポンプの分別方法は?」と疑問を持っている方も多いでしょう。
以下で、シャンプーやボディソープのボトルとポンプの捨て方を紹介するので、参考にしてみてくださいね。
ボトルを燃えるゴミかプラスティックゴミに捨てる
シャンプーのボトルは下記の手順で捨てましょう。
- シャンプーの中身は空にして、泡が出なくなるまですすぐ
- ボトルを燃えるゴミ・プラスティックゴミで捨てる
シャンプーボトルは、プラマークがついていても燃えるゴミに該当する自治体もあります。
最近は、プラスティックゴミを削減のために、シャンプーボトルを燃えるゴミからプラスティック資源ゴミとする自治体が増えています。この機会に、自治体の最新情報を調べてみましょう。
東京都渋谷区のホームページでは下記のように書かれています。
【 分別方法 】
【可燃ごみ】としてお出しください。
なお、令和4年7月1日から【資源】プラスチックとして回収します。
【備考】
容器を水ですすいでからお出しください。
対象ページ:渋谷区 よくある質問
自治体ごとの方針は下記の通りです(一部)。
自治体 | 分別 |
札幌市 | 容器包装プラスチック |
東京都港区 | 資源プラスチック |
横浜市 | プラスチック製容器包装 |
さいたま市 | 燃えるゴミ |
福岡市 | 燃えるゴミ |
シャンプーボトルは、自治体の分別方法を確認してから廃棄しましょう。
日本はプラスティックゴミの廃棄量が世界2位です。今後も資源プラスティックゴミへの転換は進んでいくでしょう。
ペットボトル回収で捨ててはならない
シャンプーボトルをペットボトルと一緒に捨ててしまう方がいるようです。
ペットボトルの分別回収は、リサイクルが目的となっています。シャンプーやボディソープなどの化粧品ボトルは、臭いや成分が付着、残留しているので、リサイクルができません。
PET素材の容器でも、プラマークが記載されているので、可燃ゴミとして捨てましょう。
ポンプは資源ゴミで捨てる
シャンプーに付属しているポンプは、ボトルと分けてよくすすぎ、「資源ゴミ」として捨てます。
念のためプラマークの側に「ポンプ」と記載されているか確認しましょう。
プラマークがついていればリサイクル対象のため、資源ゴミに該当します。
資源ゴミの捨て方は自治体によっても異なるため、事前に確認しておいてくださいね。
シャンプーを排水溝に捨てるのはNGは理由は?
シャンプーをそのまま捨ててはいけない理由は、排水溝が詰まる恐れがあるためです。
2013年6月28日に大量のボディソープを流し、東京都の銀座で大量の泡が下水から吹き出たことがニュースにもなったこともあります。
引用ニュース:https://www.j-cast.com/2013/07/01178444.html?p=all
大量に排水溝に流すのは絶対にやめましょう。
使わないシャンプー・ボディソープの賢い活用
少し余ったシャンプーやボディソープを使わないまま捨てると、もったいないですよね。
以下では、使わないシャンプーの賢い活用方法を紹介するので、ぜひ実践してみてください。
トイレやバスルームを洗う
使わないシャンプーは、トイレやバスルームの掃除に活用可能です。
シャンプーには界面活性剤が含まれており、界面活性剤には水と油を混ぜ合わせ、油汚れを除去する働きがあるため、水回りの皮脂汚れを落とすのに役立つでしょう。
トイレやバスルーム掃除に活用する際には、下記を参考にしてみてくださいね。
掃除方法 | 注意点 | |
トイレ | 少量のシャンプーを便器につけてブラシなどで磨く | 一度に大量のシャンプーを使用すると泡が立ち、溢れる恐れがあるため注意 |
バスルーム | スポンジなどに少量のシャンプーをつけて磨く | シャンプーを直接つけず、スポンジなどを使用する |
アミノ酸系など洗浄力が弱いシャンプーで洗うとき、洗った後はシャワーでよく流しましょう。バスタブの側面にシャンプー剤が残ってしまうかも知れません。
バスルームの鏡の曇り取り
シャンプーは、バスルームの鏡の曇り取りにも活用できます。
鏡の曇り取りは、下記の手順でおこないましょう。
- 濡れたタオルにシャンプーをたらす
- タオルで鏡を磨く
- 水で洗い流す
鏡は熱が伝わりにくいガラスで作られているため、入浴中は浴室内の気温よりも鏡の温度の方が低くなります。
その結果、浴室内の水蒸気が水滴になり、鏡に付着すると曇りが生じる仕組みです。
シャンプーに含まれる界面活性剤で鏡を洗うと、水の膜を張り、鏡に付着した水分を平たくする働きが期待できます。
ヘアブラシの洗浄に
シャンプーは、プラスチック製のヘアブラシなどを洗う際にも活用可能です。
シャンプーの成分には皮脂や髪の汚れを落とす働きがありますので、ヘアブラシに付着した皮脂汚れも落とすことができます。
ヘアブラシはお手入れしないまま使用していると、皮脂汚れが酸化し、雑菌が繁殖します。
定期的にシャンプーで洗いましょう。
ヘアブラシをシャンプーで洗う際の注意点
- ぬるま湯で洗う
- 洗ったあとは乾燥させる
プラスチック製のヘアブラシは熱湯で洗うと変形する恐れがあるため、ぬるま湯で洗いましょう。
また、生乾きのまま使用すると雑菌が繁殖しやすくなるため、洗ったあとは十分に乾燥させる必要があります。
マットやじゅうたんのお手入れにも
余ったシャンプーをマットやじゅうたんのお手入れに使用することがはできます。
マットやじゅうたんがふんわりと良い香りがするようになります。
ただしシャンプーは洗剤より液体が落ちにくく、マットやじゅうたんに液体が残ってしまうことに注意しましょう。
素肌に密接するマットやじゅうたんに化粧品成分が付着していると、肌トラブルが起こらないという保証はありません。
マットやじゅうたんのお手入れに使う場合は、普段の洗濯よりすすぎをしっかりやるようにしましょう。
リンス・コンディショナー・トリートメントは柔軟剤の代わりに使える?
柔軟剤として使えるか使えないかと言われれば「使える」と言えます。おすすめはできません。
柔軟剤と、リンス・コンディショナー・トリートメントは、主成分が陽イオン界面活性剤として共通しています。
しかしそれぞれ異なる目的で陽イオン界面活性剤が配合されています。
陽イオン界面活性剤は、世界中の原料開発会社が独自に開発して原料を販売をしており、数多く陽イオン界面活性剤が存在しています。原料ごとに、特性、配合推奨濃度、使用に適した商品、エビデンスが異なります。
リンス・コンディショナー・トリートメントに含まれる陽イオン活性剤以外の成分が、衣類にどのような影響を及ぼすかエビデンスがない可能性が高く、予期せぬ問題が潜んでいるかも。
使用量のコントロールも難しいので、使うならほんの少しだけにしておきましょう。
失敗すると衣類がべたつきますし、しみや劣化の原因になってしまうかも知れません。
リンス・コンディショナー・トリートメントを床の仕上げ拭きにするのは危険
床の仕上げ拭きに使えるか使えないかと言われたら「使うのはNG」と答えます。
リンス・コンディショナー・トリートメントを油分が含まれており、雑巾やクリーナーにつけて拭くと、油分が床に残ってしまいます。
リンス・コンディショナー・トリートメントは滑りやすくなる成分が入っていることもあるので、転倒するリスクまであります。
シャンプーを大量廃棄する方法
使わないシャンプーを大量廃棄する方法は、基本的に余ったシャンプーを廃棄する方法と同様です。
未開封や未使用のシャンプーも同じ手順で廃棄します。
しかし、大量のゴミを捨てる場合、有料になる場合があるので、自治体に確認をしましょう。
大量にあると片付けも手間もかかるので、不用品回収業者に引き取りしてもらうのもありです。
不用品回収業者は、比較サイトなどで調べてみると良いでしょう。東京や大阪など下記のサイトのように地域ごとで比較もできるようです。
シャンプーは少量であれば掃除などに活用できますが、大量にあると用途が見つからないため、腐敗する前に早めに処分をしましょう。
まとめ
本記事では、シャンプーやボトルの捨て方や、使わないシャンプーの活用方法などを紹介しました。
「1度も使用していないのに、捨てるのはもったいない・・・」という方は、使用期限を確認しましょう。
シャンプーの使用期限は下記のとおりです。
未開封 | 3年 |
開封後 | 半年〜1年 |
シャンプーの中身は、少量であれば水と薄めて排水溝に流し、量が多かったり大量だったりする場合は、新聞紙や布に染み込ませて捨てます。
多量のシャンプーを原液のまま流すと、排水溝が詰まる原因にもなるため、捨てる際にはそのまま流さないようにしましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。