朝シャンをしているなかには「朝シャンははげる」といわれていることに不安を感じている方や朝シャンの効果が知りたいと考えている方も多いと思います。
結論としては、はげに直結する訳ではないが原因になる可能性もあるのでおすすめできないと言えます。
この記事では「薄毛が気になる」「頭皮の匂いやベタつきが気になる」という方に向けて朝シャンの効果とデメリット、はげると言われている理由に加えておすすめのシャンプーの方法も解説しています。
髪と頭皮に対しての理解が深められますので、ぜひ最後までご覧ください。
朝シャンの効果
朝シャンは、習慣になっている方も多く実際に期待できる効果もいくつかあります。まずは、朝シャンで得られるメリットについて3つのポイントを解説します。
寝汗や過剰に出た皮脂を落とせるキレイになる
1つ目は、汗や皮脂を落とせることです。
人はだれでも、寝ているときに汗をかいています。
起きているときと同じように、汗の量に差はありますが平均ではコップ一杯ほどです。暑い夏や寝汗を感じたときはもっとかいていると考えられます。
また、汗だけでなく寝ている間には皮脂も多く分泌されています。起きたときのベタつきやイヤな臭いは皮脂が主な原因です。
寝ている間の汗や皮脂を洗い流すには、朝シャンは非常に効果的です。肌の清潔さを保つだけでなく、体臭予防にもなります。
すっきりリフレッシュ効果
2つ目は、リフレッシュ効果が期待できることです。
大きな理由としては、自律神経の影響があります。
眠っているときには、副交感神経が優位になって働いています。体を目覚めさせて、しっかりと動かすには交感神経が優位な状態にしなければいけません。
起床時にすっきりとしないのは、まだ副交感神経が優位な状態であるためです。
シャワーを浴びて刺激を受けると交感神経が働き、体を目覚めさせることができます。
温かいお湯や冷たい水を浴びて、血行を良くすることもすっきりとした感覚を得るためには効果的です。
ただし、急な刺激や過度な温度差は心臓に負担がかかるので気をつけてください。
目覚めが悪い方や睡眠不足ですっきりしない方は、朝のシャワーが動きだすきっかけになるかもしれません。
寝癖を直せる
3つ目は、寝ぐせを直せることです。
シャンプーをするので当たり前ではありますが、体と一緒に髪も流せることが楽に感じる方も多いのではないでしょうか。
部分的に濡らして直す場合もありますが、寝癖は髪の根元を濡らして立ち上げなければ直りません。ある程度広い範囲の根元をしっかりと濡らすためには、シャワーを浴びるのも効率的と言えます。
ちなみに、寝る前にシャワーを浴びた場合はしっかりと根元を乾かすことで寝癖が抑えられます。
楽に髪をリセットできるのも、すっきりとした気持ちになる点では大きなメリットです。
朝シャンは不快なベタつきやイヤな臭いを流せるだけでなく、体の内と外から目覚めを促してくれるのでリフレッシュ効果が得られます。
髪がいい匂いになる
4つ目は、髪がいい匂いになることです。
シャンプーやトリートメントの香りは使用後に髪に残り、いい匂いをまとうことができます。夜よりも朝にシャンプーするほうが、日中にも匂いは残りやすいです。
また、寝ている間の汗や皮脂を流せることでイヤな臭いの影響を受けにくいというメリットもあります。
夜に比べると、朝シャンのほうが日中でも髪を長時間いい匂いに保つことが可能です。
朝シャンのデメリット
ここからは、朝シャンのデメリットについて解説していきます。
日中の紫外線・摩擦ダメージに弱くなる
朝シャンで考えられる大きなデメリットはダメージを受けてしまうことです。
髪の毛や頭皮は、表面が油分による膜におおわれています。
摩擦や紫外線、乾燥といった刺激から髪と頭皮を守っている膜は、シャンプーによって一度洗い流されます。
皮脂の分泌とともに再び膜ははられますが、膜が戻るまでのデリケートな状態で外出すると受けるダメージが大きくなってしまいます。
刺激から頭皮と髪を守るには、適度な油分が必要です。
髪と頭皮の油分が足りない(朝・晩シャンプーしてる人)
夜も洗い、朝も洗うと、確実に油分が足りなくなってしまいます。
夜と朝の両方にシャンプーをすると、1日に2回油分を流すことになります。
皮脂の量は個人差が大きいですが、洗いすぎは油分が減るため乾燥につながります。
乾燥状態は刺激に弱く、頭皮であればかゆみや赤み、髪の毛であればパサつきや切れ毛といったトラブルの原因です。
美容室でヘアカラーをする際に、頭皮がしみる場合も多くは乾燥が原因です。頭皮に油分がしっかりとあれば、しみるのを軽減できるかもしれません。
さらに過度な乾燥状態が続くと、逆に皮脂が過剰に分泌されるケースもあります。皮脂は多くても、少なくてもトラブルになってしまいます。
皮脂の量とシャンプー剤の洗浄力を考慮する必要はありますが、基本的にシャンプーは1日1回がおすすめです。
髪と頭皮の油分が足りなくなることは、シャンプーの回数が増える際の大きなデメリットです。
洗浄剤、摩擦、熱のダメージがかかりすぎる(朝・晩シャンプーしてる人)
シャンプーは、洗浄剤と摩擦で髪と頭皮にダメージを与えます。
シャンプーの界面活性剤は、髪のタンパク質を一時的に変性させます。シャンプー後に元に戻りますが、完全に元に戻るわけではなく、刺激が残ってしまう可能性があります。
洗う回数が増えることにより、このダメージは強くなります。
加えて、摩擦の回数も増えます。
摩擦は、髪や頭皮にとって刺激となります。肌と同じように老化やトラブルのもとです。
髪は濡れているときにキューティクルが開くためデリケートな状態になります。
しかも、ドライヤーで乾かす際の熱ダメージにも注意が必要です。
洗う回数による摩擦が増えることは、ダメージになりやすいポイントです。
カラーが落ちやすくなる
油分が足りなくなってしまったり、ダメージがかかってしまったりといった影響によりヘアカラーの持ちが悪くなってしまうことも考えられます。
ヘアカラーは、基本的に脱色をした髪に色素を加えることで色をつけています。色素はヘアカラーをした後、少しずつ抜けていきます。染めたあとに海やプールに行ってすぐに色が抜けた経験のある方もいると思いますが、シャンプーの回数も色持ちに影響します。
特に明るめのヘアカラーをしている方は、髪のダメージ状態からも色素が流れ出てしまいやすいのでシャンプーの影響は大きいです。
カラーリングをしている方は、シャンプー剤の洗浄力や洗う回数には注意が必要です。
寝てる間に汚れや菌がたまる(朝だけシャンプーしてる人)
夜はシャンプーをしない場合に考えられるデメリットは、寝ている間に頭皮と髪に汚れや菌がたまってしまうことです。
夜にシャンプーをしない方は日中の汗や皮脂、ホコリといったものが洗い流されないまま寝ることになります。
睡眠時は、成長ホルモンが多く分泌されることから皮膚と同じように髪と頭皮も成長や修復がおこなわれるタイミングです。清潔な状態でないと、髪と頭皮の成長や修復を妨げる可能性もあります。
また、不快感があると睡眠が浅くなることにも注意が必要です。
汚れに加えて、菌の増殖もトラブルの原因になるため大きなデメリットです。
不衛生な状態が長く続くと、頭皮の菌は皮脂を栄養にして繁殖します。悪影響のある菌が増えすぎると、かゆみや赤み、イヤな臭いといったトラブルを引き起こします。
前述の通り、寝ている時は汗をかきやすく枕との間で通気性も悪くなっているので温度や湿度が上がってしまいます。
栄養となる皮脂が多いことに加えて、菌の繁殖しやすい高温や多湿の状態は危険です。
疲れている夜にシャワーを浴びるのが面倒な方も多いかもしれませんが、一日の汚れや菌をしっかりと落としてあげるのは頭皮の髪の環境を整えるには重要です。
朝シャンがはげると言われる理由
朝シャンをするとはげると言われる理由としては、頭皮環境に良くないからだと考えられます。
最初に述べたように、朝シャンが直接薄毛の原因になるとは考えにくいですが、原因を生んでしまう可能性はあります。
まず、薄毛の大きな原因は「男性ホルモン」「血行不良」「ストレス」「生活習慣」などです。
薄毛は様々なケースがあり、いくつかのトラブルが絡み合う複合的なケースがほとんどです。
そんな中で朝シャンが、薄毛の原因にもつながる多くの場合は頭皮のトラブルが起きてしまうことと言えます。
朝シャンは、油分を落としすぎる、不衛生な状態で寝る、シャンプー剤が残るといった頭皮にとって良くない状況を作ってしまうことがあります。
どれも炎症につながる可能性があり、頭皮環境の悪化の原因です。そして、頭皮環境の悪化は抜け毛につながるケースも考えられます。
夜のシャンプーと比べて必ずしも朝シャンが、頭皮の環境を悪化させるわけではありませんが、可能性が高くなる条件は揃っています。
デメリットや注意点をしっかりと把握して、対策することが重要です。
朝シャンがはげると言われる理由は、結果的に頭皮に良くない習慣であるからです。
それでも朝シャンするなら
朝シャンのデメリットを解説しましたが、すぐに習慣を変えるのが難しい方も多いと思います。
夜のうちに一日の汚れを落とすことは大事ですが、朝もシャワーを浴びたいという方に向けて、朝シャンを継続するためのおすすめの方法を3つ紹介します。
朝は湯シャンにする
1つ目は、お湯のみで髪を洗うことです。
湯シャンと呼ばれる方法で、シャンプー剤を使わないので洗浄力を抑えることができます。
デメリットでも挙げた通り、皮脂を流しすぎることは頭皮や髪に悪影響です。
お湯だけでもある程度の汚れや皮脂を落とすことができます。ゴシゴシと強く擦ると頭皮に傷がつくので、マッサージしながら洗うようにすればさらに汚れを落とせます。
お湯の温度が高いほど皮脂を落とすことが可能です。ただ、刺激にもなり乾燥につながるのでお湯は39度前後にしてください。
シャンプー剤を使って洗うことに比べると、すっきり感は少ないですが刺激や皮脂が流れすぎるのを防ぐためにも湯シャンは効果的です。
アミノ酸・弱酸性のシャンプーにする
2つ目はシャンプー剤を、アミノ酸系や弱酸性のものに変えることです。
汚れや皮脂を落とす洗浄力の高さは、シャンプー剤によって異なります。
界面活性剤を含む成分によって左右されますが、アミノ酸系や弱酸性のシャンプーは比較的洗浄力が低いといえます。
成分の配合量や組み合わせによっても大きく異なるため、明確な判断は難しくなっていますが「ココイルグルタミン酸Na」「ラウロイルメチルアラニンNa」「ココイルメチルタウリンNa」などが主な洗浄剤となっている場合は、アミノ酸系のシャンプーと言える可能性が高いです。
皮脂の量は、個人差や年齢差が大きいことも事実です。ただ、皮脂を落としすぎると乾燥や逆に皮脂が出すぎてしまうことにもつながるので、洗う回数だけでなく高い洗浄力のシャンプーにも注意が必要です。
デメリットとしては、シャンプーの値段が高い傾向にあることです。安価な商品ほど原価の問題から洗浄力が高く刺激の強い洗浄剤を用いる傾向にあるので、シャンプー選びも重要です。
乾燥肌や敏感肌の方はもちろんですが、ベタつきが気になる方もシャンプー前の予洗いやブラッシングなどで皮脂の量を調整しながらシャンプー剤を切り替えていくのもひとつの方法と言えます。
シャンプー剤は頭皮や髪の状態との相性が大きいですが、特に朝にもシャンプーをしたい方は洗浄力の低いアミノ酸や弱酸性のシャンプーを選ぶことがおすすめです。
シャンプー剤は少量・洗いは軽く
3つ目は、シャンプー剤の量と洗い方に気をつけることです。
シャンプーは使用量が多いと、髪や頭皮に残る可能性も高くなります。前述の通り、シャンプー剤は頭皮に残ると刺激となりトラブルを引き起こします。
朝は時間がないことも多く、特にすすぎ残しが増える可能性が高いです。
お湯だけである程度の汚れが落ちることも考えると、シャンプー剤を使う場合でも使いすぎない、頭皮につけすぎないという意識をするのがおすすめです。
また、長時間洗ったり、ゴシゴシと強く擦って洗ったりすると皮脂を落としすぎてしまうので避けましょう。
夜にしっかりと洗えていれば寝ているときの汗や皮脂を流すのが目的なので、強い洗浄力は必要ありません。
シャンプー剤の量や洗い方には注意してください。
まとめ:朝シャンはできればやめた方いい
朝シャンにも効果はあり、リフレッシュ効果や体臭予防としては有効です。ライフスタイルの一環でもあるため、すぐに切り替えるのが難しいこともあると思います。
ただ、朝シャンははげると言われることもあるように薄毛につながる悪影響が全くないとは言い切れません。
頭皮や髪を悪くしてしまう場合もあるので、やめることがおすすめです。
本記事の内容で髪と頭皮への理解を深めながら、朝シャンのデメリットをカバーできる対策も覚えて、ぜひ自分にあったシャンプーのスタイルを見つけてください。