髪の毛を染める頻度は、どのくらいがベストなのかご存じですか?
決まった頻度ではなく、気になってきたら染める方が多いですが、その結果頭皮や髪の毛にダメージを引き起こしている可能性も。
傷んでしまった髪の毛をトリートメントで修復しようとしても、カラーリングの頻度や髪の毛のケア方法を間違うと、綺麗な髪の毛は手に入りません。
本記事では、髪の毛を染める頻度の目安を紹介します。染める頻度が分からない方や髪の毛のダメージが気になる方は、是非参考にして下さい。
Yuuki
【コスメ部】の監修者・総責任者。
化粧品会社で11年勤め、化粧品開発とマーケティングを経験し、化粧品成分、薬事法、景品表示法の実務経験を積む。毛髪、皮膚の科学から、化粧品原料データ、消費者データまで化粧品分野において多岐に渡る経験と知見を持っています。
髪の毛を染める頻度は『3週間〜3ヶ月』
髪の毛を染める頻度として明確な正解はありませんが、目安としては『3週間〜3ヶ月』を基準にするのがいいでしょう。髪質や毛量、白髪のパーセンテージによって染める頻度を変えていくのがおすすめです。
ここから3つのパターン別に髪の毛染める頻度の目安を解説していきます。
- 髪と頭皮をいたわりたいと思う方
- 明るい色を保ちたいなら
- 暗めの色の方
髪の毛は1日に平均0.3ミリ伸びるので、1ヶ月に約1センチ根本の部分が伸びてきます。根本が1センチ伸びてくると、白髪を気にしている方は白い部分が目につき染めたくなるでしょう。
また、ファッションカラーをしている方も2ヶ月程度経つと、カラーリングをしている髪の毛と根本の地毛部分の明るさや色味の違いが目立ってきます。
染めた当初の鮮やかな色味も2ヶ月経てば全て抜けてしまうので、ファッションカラーは2ヶ月を目安に染め直すのがおすすめです。
色味が抜けた髪の毛は、見た目的にも艶が失われやすく老けた印象になりがちなので、適切な頻度でカラーリングをしていきましょう。
髪と頭皮をいたわるなら2カ月に1回
髪と頭皮をいたわるなら2カ月に1回程度の頻度でヘアカラーをしましょう。
カラーリングの際に意識しておきたいのが『頭皮と髪の毛へのダメージ』です。髪の毛と頭皮にダメージを与えないようにするためには、カラーリングの頻度を2か月に1回程にして負担を減らしつつ、家でのケアを充分にするようにしましょう。
カラーリング剤は髪の毛のキューティクルを開くアルカリ剤と過酸化水素を化学反応させて発色させます。普段閉じているキューティクルを薬剤によって無理やり開いていくのでダメージを避けるのはなかなか難しいです。
キューティクルを無理矢理開くだけでなく、髪の毛の内側で化学反応を起こしたカラー剤が、地毛の色素を脱色していくので、髪の毛にとってカラーリングは大手術を行っているくらい負担が大きい。
また、カラーリング剤には『パラフェニレンジアミン』という染料が含まれていて、人によってはアレルギー反応を起こし頭皮に赤みや痒みがでたりする場合があるので注意が必要です。アレルギー反応が起きてしまった方は、カラーリングの方法を変えるか、カラーリング自体を控えた方がいいでしょう。
明るい色を保ちたいなら3週間~1カ月
明るい色は、3週間~1カ月の頻度のカラーリングが良いです。
髪の毛が伸びてくると根本の地毛の割合が多くなり、明るいカラーリングがだんだんと暗い印象になっていきます。根本が1センチ伸びると暗い部分が気になり始めるので、明るいトーンを保ちたいのなら3週間〜1か月の頻度でカラーリングをするのがおすすめです。
1〜2ヶ月ほど経つと、毛先の色味も抜けて黄色っぽさが目立ってくることがあるので、明るい色を保つ場合は色味で暗く見えないように、濃度の薄い色味を上から被せて艶と色味を復活させましょう。
毎回毛先まで明るいヘアカラーの薬をつけてダメージが進むのが気になる方は、根本の伸びた部分を毛先に合わせて染める『リタッチ』という技術で対応ができるので、美容師さんに相談してみてください。
暗めの色なら1~3カ月
暗めのカラーリングにおすすめの頻度は1〜3ヶ月です。
地毛と変わらないくらいの暗めのカラーリングは、カラーリング剤の染料の濃度が濃いためカラーリングの発色が長持ちします。一度暗い色素を入れた髪の毛は地毛との馴染みが良く、少し根本が伸びたとしてもあまり気にならない人が多いのではないでしょうか。
髪質的に明るくなりやすい人は1か月程度、髪の毛に色素が残りやすく明るくなりづらい人は3ヶ月を目安に染めるのがおすすめです。
髪の毛を染める間隔は1~2週間開ける
髪の毛の色を頻繁に変えて、おしゃれを楽しみたいという方もいると思いますが、髪の毛を染める間隔は最低でも1〜2週間開けるのがおすすめです。
髪の毛の中に色素が残っている状態で次のカラーリングを重ねると、だんだん髪の毛の色はくすんでいきます。例えるなら、絵具を何色も混ぜていくと黒に近づいていくのと同じ原理です。綺麗なカラーリングを作るためには、適度な間隔を開けましょう。
また、髪の毛のダメージが蓄積してしまうのも、間隔を開けて欲しい理由です。髪の毛が受けたダメージは、自然に治ることはありません。こまめにトリートメントをしながら髪の毛を労るのが、健康な髪の毛を作る秘訣です。
白髪染めの頻度は1~3カ月
白髪を染める頻度の目安は1〜3ヶ月です。
白髪は生え方により、カラーリングの方法や頻度が下記のように変わってきます。
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白髪の量 | 染める頻度 | メンテナンス |
少しだけ白髪があるタイプ | 2カ月に1回程度 | 染めるまでハサミでカットする |
白髪が目立つタイプ | 1カ月に1回程度 | 目立つ部分の頻度を多くする |
80~90%が白髪 | 1カ月に1回の頻度 | カラートリートメント等を併用 |
しかし、白髪を1本でも見つけると、気になって染めたくなる方も多いのではないでしょうか。白髪の生え方は多種多様。全体の5%程しか白髪がない方から、全体のほとんどが白髪の方もいらっしゃいます。また、鏡で見て目立つ部分を中心に生える場合もあります。
少しだけ白髪がある場合
全体の5〜10%程に白髪があり、普段はそこまで目立たないような場所に生えている場合は2ヶ月くらいの頻度で染めるのが髪の毛に負担がなくおすすめです。
また、白髪染めのために美容室に行くほどではないけれど、表面に1〜2本出てきた白髪の場合は白髪の部分のみ根本からハサミでカットするか、カラースティックのような白髪を隠すためのアイテムを使うのも1つの手段です。
白髪が目立つ場合
前髪やつむじ周りに白髪が集中していて、スタイリングの際に目立つような方は1ヶ月ごとにカラーリングをしていきましょう。
目立つ場所に集中している場合は、根本が1センチ伸びただけでもかなりの存在感がでてきます。全体を白髪染めで暗めのカラーリングを毎回行うか、目立つ部分のみカラーリングを行うという方法もあります。
また、明るめのカラーリングにしたければ、白髪が目立たなくなるようにハイライトカラーを入れて馴染ませるのも、メリハリのあるおしゃれなヘアスタイルになりおすすめです。
白髪がほとんどを占める場合
全体の80〜90%程が白髪の方は、暗めに染める場合は1ヶ月間隔、白髪を活かして明るめで染める場合は2〜3ヶ月間隔で染めていきましょう。
ヘアカラートリートメントを併用しながら、色を保つ方法もあります。
最近は、大人女性も白髪染めで暗いカラーリングにするよりも、白髪にヘアマニキュアなどでビビッドなカラーリングを入れて楽しむのがトレンドになってきています。地毛の黒髪よりも白髪の割合が多い場合は、色味でデザインするのもオシャレでおすすめです。
髪の毛を染めるダメージを軽減する4つの方法
カラーリングを頻繁に行う方は、特にダメージが大きくなりやすいので下記4つの方法を取り入れ、ダメージをできる限り減らしましょう。
- カラーシャンプーを併用する
- カラーを暗めにする
- ヘアカラー直後のシャンプーを気を付ける
- アミノ酸シャンプーを使う
カラーリングをする際にダメージを極力抑えるための4つの方法を1つずつ解説していきます。
カラーシャンプーを使い染める頻度を減らせる
カラーリングを染め直す頻度は1ヶ月〜3ヶ月程が目安です。
その理由は根本の新しい毛が生えてくるからというものの他に『色落ち』が気になるからというものがあります。その色落ちを極力抑えながら、カラーリングを長く楽しめるアイテムを使うと、染め直しの頻度が減り髪の毛へのダメージを和らげることが可能。
おすすめのアイテムが『カラーシャンプー』です。カラーシャンプーは、通常やシャンプーのように汚れを落とす成分が含まれているのはもちろん、シャンプー自体に色味を加えたアイテムになります。色味のバリエーションも多く揃っていて、美容室で染めた色味に合わせて使うことで、毎日のシャンプーで色味を足すことができます。
『カラーシャンプーの色味例』
- レッド
- ピンク
- バイオレット
- オレンジ
- ブルー(アッシュ)
- ブラウン
カラーシャンプーは洗浄力を抑えて、カラーリングが流れてしまうのを防いでいるので、敏感肌の方でも使いやすく、自宅で手軽にできるのでおすすめのアイテムです。
ただし、通常のシャンプーと違い、色味が含まれているアイテムなのでいくつかの注意点があります。
『カラーシャンプー使用時の注意点』
- 手や爪が染まる場合があるので、気になる方はビニール手袋を着用して洗う
- バスルームの壁やプラスチック製品が染まると落としづらい
- 染料によってかぶれを起こす場合がある
カラーシャンプーには、このような注意点があるので、不具合を感じた場合は使用を中止してください。
カラーを少し暗めにする
カラーリング剤には『明度レベル』というものが決まっていて、明度レベルが低ければ低いほど暗いカラーリングになり染料の濃度が濃くなります。明度レベルの低い暗いカラーリングにすることで、カラーリングの頻度を少なくすることができ、髪の毛へのダメージが軽減されます。
薬剤の明度レベルが高めに設定していると、髪の毛は透明感のある綺麗な色味を出しやすいですが、ブリーチ力が強くなるのでその分ダメージレベルも大きくなります。
髪の毛のことを考えるのであれば、明度レベルの低い、暗めのカラーリングの中で好みの色味を選ぶようにするのがおすすめです。
ヘアカラー直後のシャンプー方法をマスターする
ヘアカラー直後のシャンプーの方法により、髪色が早めに落ちてしまう可能性があります。
ヘアカラー後にカラー剤の色素が、髪に定着するまで48時間ほどかかります。色が定着していない状態でシャンプーをすると、退色が進みます。
髪の色は、キューティクルの隙間から退色をしますが、髪は濡れた状態になるとキューティクルが開き、濡れた髪に摩擦をかけると、髪のキューティクルが更に乱れてしまいます。
48時間もシャンプーしないのは流石に気持ちが悪いという方もいますので、24時間は最低でも空けたいところです。
できればヘアカラー後の48時間はお湯だけで洗いましょう。
どうしてもシャンプーがしたい方は、ヘアカラー直後のシャンプーマニュアルという記事もありますので、ご一読してみてください。
アミノ酸シャンプーにする
シャンプー剤にも強さのレベルがあります。シャンプーの主成分である『界面活性剤』の種類によって洗浄力の強さが異なり、洗浄力が強ければ強いほど汚れをしっかりと落としてくれますが、その分ダメージの原因になる可能性が!
『界面活性剤の種類』
- 高級アルコール系
- 石鹸系
- ベタイン系
- アミノ酸系
高級アルコール系の界面活性剤は、頭皮と髪の毛の汚れをスッキリと落とし、さっぱりとした洗い上がりにしてくれます。しかし、洗浄力が強い分頭皮や髪の毛の油を必要以上に落としてしまったり、カラーリングの色味も落としてしまいます。その結果ダメージに繋がり、乾燥してパサパサとした質感になりがちです。
髪の毛や頭皮のダメージを抑えながら汚れを落としたいのであれば『アミノ酸系』のシャンプーを使いましょう。
アミノ酸系のシャンプーは、高級アルコール系のようなさっぱりした洗い上がりではなく、適度に油分が残るくらいのしっとりとした洗い上がりを実現します。
カラーリング直後の髪の毛は特にデリケートなので、アミノ酸系の優しい洗浄力のシャンプーでケアをしていきましょう。デメリットは、価格面が高くなりがちなところです。
けれど、髪の毛への影響を考えると使うメリットの方が大きいので、ぜひ試してみてください。
まとめ
今回は髪の毛を染める頻度と、おすすめのアイテムをご紹介しました。
本記事の内容をまとめると
- カラーリングの頻度の目安は1〜3ヶ月
- カラーリングの明るさや、ダメージの具合によって頻度を変える
- 白髪の生え方や生えている量によって頻度を変える
- カラーリングを長持ちさせるためにカラーシャンプーを使う
- 暗めのカラーで長持ちさせる
- アミノ酸系のシャンプーで色落ちを抑える
人によって髪質や髪の毛の量、前回のカラーリングなどには大きな違いがあります。美容師さんはそんなお客様一人一人の髪の毛の状態を判断して、素敵なカラーリングを提供してくれていますよね。美容室で手に入れた素敵なヘアスタイルを長持ちさせ、髪の毛をより綺麗な状態にしていくには、美容師さんに全てを任せるのではなく自分たちも知識をつけて、二人三脚で取り組んでいく必要があります。
本記事を内容を理解すれば、髪の毛のダメージを抑えながら綺麗な状態を維持することができるでしょう。是非、カラーリングをする際に参考にしてください!